別府に行った。なぜなら「別府かな…」と思ったから。
結構、人生というものは揺れ動く。ベタか、ニッチか。定番か、裏通りか。
基本的に、私という人間はひねくれているので旅に出ても踏み固められたルートは歩きたがらない。説明しがたい旅程を組んで、説明しがたい場所で説明しがたい活動をする。
とはいうものの、たまには100点の観光もしたいじゃない。るるぶで一番でっかく載ってる特集に乗っかりたいときもあるじゃん。ミリオンセラーのヒット曲をカラオケで歌いたいことは…まあそれはないけど…そういうことじゃん。ど真ん中に投げてくれた140キロのストレートを、目をつぶってフルスイングしてホームランしたいじゃない。
ということでこんにちは。『別府温泉で地獄めぐり』という、有史以来延べ180億人の人類が通ったであろう観光をしました。一人で。
もうね、なんの工夫もないので駅からみんなと一緒にバスに乗って、みんなと一緒の場所で降りて、みんなと一緒に海地獄からスタートよ。
見えない。いいよ別に見えなくたって。海地獄見たって何のアドバンテージも生まれねぇんだから。
季節が外れてたので、名物の"でっけー蓮"、なかった。温室に、ちっちぇー蓮から花がひょこっと咲いてた。
お散歩カメラを手に入れたのでこういう写真を撮ったりしたんですけど?いかがですか?高森藍子ですか?
鬼石坊主地獄。なんか灰色の粘土がブクブクしてたんですけど、結局のところ延べ6兆人の観光客たちはこれを見て何を思ったんですか。
まあ確かに石から煙がヴォンヴォン出てる状態って、あんまない。多摩川の河川敷がこうなってたら通報するし。
かまど地獄、安っぽい鬼がいて安っぽい地獄だなって思った。あと、施設が平成どころか昭和だった。
でも水はきれい。周りの装飾物が明らかに余計。神秘の泉みたいな演出にしちゃえばいいのに。
ドラクエ感があったよ。調子のいい係員のおっちゃんがいたよ。
ワニですね。鬼山地獄って言ってましたけど、もう温泉関係ないじゃん。
あ、紹介ページ見てみたら「温泉熱を利用し、ワニ飼育を開始した」って書いてありました。温泉関係あtt
いや待て別に温泉熱を利用することとワニの飼育に因果関係は無いだろ。騙されるな。いや、あるのか?なんかもういいや。どうせ終わったことだし。
あまりにも動かないのでしばらくの間作り物なんじゃないか、もしくは作り物が混じってて嵩増ししてんじゃないかと思ったんですが、なんか全部ホンモノだったみたいです。すごいね。
確かにワニはワニでおかしいと思うんですけどね、5か所目でこれを見せられても「もう知ってる」という気持ちになりますよね。そんな白池地獄。
でも、かまど地獄(鬼)と鬼山地獄(ワニ)は国指定名勝じゃないけど、白池地獄は国指定名勝なんですよ。やっぱ観光客に媚びてテーマパーク化するとダメなんでしょうね。
街並みです。
街の並々のご様子です。
「よくきく」でお馴染み、血の池地獄です。
ちなみに、赤いのは水じゃなくて地面なので、ちょっと騙された気分になるよ。「血の池」って言われたら水が赤く染まってるように思うじゃん。
龍巻地獄。もうラストの7か所目ですよ。ていうか律義に7か所全部巡ったの偉くないですか。
これ、どういう状況かというと、龍巻地獄って言ってしまうと間欠泉なんですけど、「40分ごとの間隔で噴き出すから見たけちゃ待ってろ」と言われてみんな待ってた、という図です。ちなみに私はたまたまタイミングよく噴き出す3分前に着きました。勝者。
待ってない分、感動も薄かった。
ヤリドヴィッヒ…。くらいの感想だったですねうん。
で、観光客なのでクソ高い地ビールを飲んでみたり
とり天を食べてみたりして街に戻りました。
おわり。
私のような人間は、ド直球の観光地を前にすると、あまりにも無力。そんなことを分かって頂けたのではないでしょうか。さようなら。