あでぃすでぃす

一つ文章を書くたびに寿命と社会的評価が削れていくおブログです。

和歌山城

和歌山駅に着いた私は足早に地下にある観光センターに向かった。駅周辺のぶらり観光ならばレンタサイクルを利用するのが非常に有意義、そんな情報を富士山の頂上から流れてくる日刊お役立ち電波で受け取ったから。そんなわけねーだろバカ。2年半前に和歌山を観光した時に全部徒歩で行きたいところを回ったら死ぬほど疲れたからである。

 

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レンタサイクルの富雄です。いま名付けました

 

人は電波から学ぶのではない。記憶と経験から学習するのだ。とにかく1日600円の契約を締結してそこそこボロっちい上にサドルが高くてちびっ子にはちょっと怖いママチャリの操業権を得て、大通りを東へと漕ぎ出したのだった。これもしかして大いなる意思か和歌山市役所に嵌められてる?って思うほど綺麗に2回に1回信号に捕まり全然

 

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良い眺めだと思って撮るけど一生誰にも見せずにどこにも使わずに消すことになる系の写真(使った)

 

スピードが出なかったが、それはそれで安全運転でレッツゴーになるので許せる。和歌山城へはおよそ17分で到着した。これは自転車を漕ぎ出す時に撮った写真に10:19というデータが刻まれていて和歌山城に到達した時に撮った写真に10:36というデータが刻まれていたのでおよそ正確っぽい。スマホを全国民が持てるスパイセットと評したの

 

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松です。以上ですけど

 

は一体誰だったか。誰だ?ルパンか?キャッツアイか?キャッツアイってスパイ?スパイじゃない?じゃあスパイって誰?ゴールデンアイのゲームってスパイのやつ?はいちょっと待った頭がおかしくなってきた。キャッツアイについては実はよく知らないという事実が露見したので後でウィキペディアみとこ。で、そうなのである。スマホの時計

 

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綺麗な景色を撮る。なぜなのか?

 

がバグっていなければ10:36に和歌山城に到着したのだった。2年半前はおよそ100mのところまで近付いてそのまま中に入らず帰った和歌山城に着いたのだ。まずは駐輪場の場所が全く分からず右往左往して半泣きになった末にビジターセンターの裏手に半ば違法駐輪のような形でとめることになるという愉快なアクティビティで歓待を受け、盗ま

 

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この石垣普通に登れそうだけどそれって石垣の意味あるのか?って思いました

 

れたり撤去されたりしたらシャレにならないよな…観光センターのレンタサイクルってことは丸分かりなんだから泥棒さんも警備員さんも忖度してくれよな…という祈りを捧げながら入城する。まず視界に飛び込んでくるのは風光明媚な庭園。おわしますのは韓国人の大集団。歩道は狭いのにあちらこちらで写真を撮りまくるので先に進むのも大苦

 

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掃除のおじさんの映り込み方がまんまジオラマみたいで気に入ってます

 

労。なんなんだ、関係が悪化して韓国人訪日客が激減してるって言ってなかった?嘘だったの?私とあなたのあの日々も嘘だったの?もう何も信じられない!うわーーーーーーーーっ!!!!!って発狂したら道を空けてくれそうだったけど、いい大人なのでそんな強硬手段には訴えない。譲り合いの精神。そもそも、時間は有り余ってるんだっ

 

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白砂青松ってこれじゃん…と思ったんですが白砂青松は海岸の様子に使う熟語らしいですよ。じゃあこれは何。人工的に敷き詰められた白い砂利と緑の松と植え込み?

 

た。何らかのタイムリミットがあるとすれば、自転車が泥棒かレッカー者に見つかるまでのタイムリミット。さて、庭園でのワクワク韓国人捌きを終えて、いよいよお城である。この辺りは至って順調に順路通り進んでいったので特筆すべきことはない。お城って坂道と階段ばっかりあるから嫌じゃないですか?旅行に行ったらなんだかんだお城に

 

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天守閣からの眺め(西) 紀ノ川の河口と和歌山港が見えてエモいですね!

 

行っちゃう系の人類である私だが(ここで「お前人類なの?」という突っ込みをされると話がややこしくなるのでやめてもらいたい)、実はお城に行っても中に入るのにお金が必要だと「いや…じゃあ別に外から眺めるからいいわ…どうせ鎧とか巻物とか年表とか飾ってあるだけでしょ…」と萎えて踵を返すことが多いのだ。終わってる。人類を名乗る

 

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天守閣からの眺め(北) 小天守と何らかの工事がエモいですね!

 

のがおこがましい。しかし、この日は違った。600円をちゃんと払って和歌山城内に焼き討ちを仕掛けることにしたのだ。大方の予想通り内部は刀や鎧や巻物や瓦や鉄砲や和歌山城の歴史的なエトセトラを教授するボードが置かれていただけだったが、この日の私は心身ともに快調で全てに対して余裕があったので存分に楽しんだ。自転車が盗ま

 

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天守閣からの眺め(東) 多分あの山のふもとに花山温泉っていう2年前に行った温泉があるんですよ!エモいですね!

 

れたとしても和歌山城が55.5万石だという知識を得られたんならチャラだな。あーよかった、とか思った。やっぱり時の城主が「ゴーゴゴーだよね」って言って調整させたのだろうか。あと、ここで言っとくけど、城内の人めっちゃ少なかったから。城の外と全然人口密度が違う。絶対城の目の前まできて600円払わず帰ってる人類、いや霊長類

 

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天守閣からの眺め(南) 手前のなんか近代的な建物は『和歌山県立近代美術館』です!エモいですね!

 

が多い。バーカ。600円払っただけでこんなみじめなマウントが取れるとは人類も捨てたもんじゃない。ということで内部は人が少なくて快適だった。一番上まで登ったら誰もいなくて、一人で歌いながら外周を3周くらいしてやった。大満足して下に降りると即座に自転車のことを思い出し、だからといって焦ることもなくケセラセラじゃのう

 

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他の人がこの角度から撮ってたのでベストスポットなのかと思ってつられて撮ったのですけどそんなでもなかった

 

とひとりごちながら砂の広場を通って帰っていったのだった。自転車は普通に大丈夫だった。そういえば、ケセラセラとメメントモリってどっちがどっちかたまに混乱しませんか?しない?じゃあいいです。ということで、普通に書いたら30文字で終わりそうな和歌山城観光を2000字まで引き延ばそうとするとどうなるかの実証実験、いかがでしたでしょうか。結論は、バカになる、でした。あと、書かれている内容の8割5分は嘘か出まかせなので、各自心地良いところだけを抽出して頑張って「あでぃすは神」という結論をこの文字列のようなものの中から見出してください。次回、どんぐり。