あでぃすでぃす

一つ文章を書くたびに寿命と社会的評価が削れていくおブログです。

芸妓カフェというものがありました

 

昔々あるところに。ではなく2019年7月の有馬温泉にありました。

 

・たまたま有馬温泉に行った

 

f:id:addis:20190729214250j:plainどうも。この写真はフラグです

 

無策で神戸にやってきた。正確に言うと、午後6時からほっともっとフィールド神戸(グリーンスタジアム神戸以外の名前はどうしても馴染めない)で野球観戦をするという予定しかないのに午前9時に神戸に着いてしまったので、9時間分無策になった。

 

おっさん一人で海沿いのキラキラスポットを観光してもなぁ…と悩みながら駅前のマクド(せっかく神戸に行ったのでマクドと呼称する)で作戦を練っていたところ、有馬温泉って意外と電車ですぐに行けることが判明したので行くことにした。

 

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温泉街っぽい温泉街ランキング1位

 

そんな感じで来た。有馬温泉に。西宮に住んでいた小学生の頃に家族で数回来たことはあったが、正直ほとんど覚えていないので実質初訪問のようなものと言っていい。

 

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観光地に来たなぁと思わされる系の地図看板

 

とはいえ、無策で吶喊!してきたので現地に着いても一切のプランが存在しない。しょうがないので観光協会オススメのウォーキングをすることにした。正確に申し上げると地図で紫色のルートが示されている『歴史コース』を歩くことにした。それで汗かいて日帰り温泉入ってメシ食って帰ろう。

 

・その道中に何かありました

 

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折り紙を垂らすのは反則。風流界の禁じ手

 

その道中。正確には『歴史コース』から一本外れた路地がメチャンコに風流であった。私は散策しつつお昼ごはんを頂く場所にも目星を付けておきたかったので、この路地の店もチェックすることにした。

 

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麦酒・紅茶・珈琲。一糸。ふむ。ふむ?

 

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ん?

 

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なんだこれ。いや、なんだこれ

 

ここで質問ですが、皆様は『カフェ』ってご存知ですか。ご存知ですよね。

 

じゃあ『メイドカフェ』ってご存知ですか?行ったことがあるかはともかく、概念的には大体の方がご存知ですよね。

 

では、少し応用編なんですが、『執事カフェ』は?『ボードゲームカフェ』は?『鉄道カフェ』は?こういうの、ひとまとめにして『コンセプトカフェ』、略してコンカフェって言うらしいですよ。みんなも自分が住んでる場所や遊びに行く場所+コンカフェでググってみよう。

 

で、芸妓の店ってなんすか。

 

芸妓がいます(はぁと)

お気軽にお話しません?

カフェ営業してます(はぁと)

どうぞ~(はぁと)(はぁと)(はぁと)

 

って書いてありますけど。推察するに、メイドカフェのメイド部分が芸妓になってるカフェなの…?あれ…?そもそも芸妓って何だっけ…?京都…?ここは京都…?

 

・入りました

 

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きれいです

 

謎を解き明かすために入店しました。何を…何をしてくれるっていうんだ!?

(ネタバレ:特に何も起こりませんでした)

 

ちょうど開店直後だったので、おそらく私がこの日一人目の客。入ると、二人の女性(おそらく芸妓である可能性が高いと推察される)がいた。特にお帰りなさいませご主人様的なアレはなく普通にこんにちは~って言われた。

 

二人とも着物は着てるけど、顔は白くないしああいう髪型というかカツラもしてない。

 

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芸妓の"白い顔"と"ああいう髪型"の例です

 

とりあえず入ってしまったので座る。二人のうちの若そうな方の芸妓さんが注文を取りに来てくれたので、抹茶と和菓子セット(1200円)を注文した。

 

若い方の芸妓さんが厨房に引っ込む。若くない方、というか明らかにオーラが出ている方の芸妓さんは奥のテーブルでひたすら領収書だか書類だかの整理をしている。特にこちらに来る気配はない。

 

無音。

 

なにこれ。まさか…失敗した?

 

とか考えていたら抹茶と和菓子がきた。ここからメイドカフェの芸妓版がスタートするのか!?してくれ!頼む!

 

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もしかすると本物の抹茶って初めてだったかもしれない

 

たのm…普通に行っちゃった。店内の掃除とかし始めた。お話とかしないんですか。何か思ってたのと違うんですけど。

 

気まずい。なにこれ。いやさ、カフェに入って座って注文してメニューが運ばれてきてそれを頂く。至極真っ当な行為なんだけどさ。全然思い描いていた『芸妓カフェ』じゃないんですけど。コミュがあるカフェじゃないのか。そうか、そうですか…。ごめんなさい私の早とちりでした…。

 

・そんなことなかった

 

客一人に芸妓さん二人(ただしどちらも黙々と自分の仕事をしている)という空間で、「ひぃん…」という気持ちになりながらチビチビと抹茶を飲みながら和菓子を突ついていると、オーラのありそうな方の芸妓さん(文字数が掛かるので以下、年長の、と記す)が「すずちゃん?ちょっと出てくるから!」と言って出ていった。

 

どうでもいいけど立ち上がった時の姿は芍薬だったし歩いて出ていく姿は百合の花だったので、「あっ、これはやっぱり芸妓という設定のカフェじゃなくて本物の芸妓さんだな」と思った。

 

…すると!一人残った「すずちゃん」と呼ばれていた方の若い芸妓さんがこちらに来てくれたのだ!

 

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なんで撮ったのか一切分からないけど食べかけの写真です

 

流石に隣に座ったりとかそういうキャバクラとかガールズバーとかみたいな密着接客ではなかったけど、向かいのテーブルに座ってくれて、まあここに具体的な内容を記す必要はないような、至って標準的な色々なお話をした。

 

楽しい…!普通に楽しい…!ありがたみが…!

 

あ、もしかして、今までは年長の芸妓さんがいたから話しにくかったのだろうか。何そのかわいさ。

 

ちなみに、かわいかったです。皆さん、『19歳の芸妓見習い』という単語から想像される女の子を思い浮かべて下さい。はい。そうです。だいたいその想像通りです。かわいいでしょ。

 

www.eonet.ne.jp

 

はい。ということで良さを得て頂いたところで紹介コーナーです。有馬温泉には芸妓がいる。

 

兵庫県神戸市 有馬温泉

日本最古である有馬温泉には古くから芸達者な芸妓がいてその伎芸は現在も若い芸妓に伝承されている。有馬検番があり、現在置屋が4軒、梓席・田中席[2]・わかまつ席・初音席。常に白塗りでかつら、着物で座敷にあがる(有馬温泉観光協会[3]参照)。

温泉街だが近畿の奥座敷と呼ばれ格式が高く、遊郭のような店もなく、またその様な人(ピンクコンパニオンなど)が旅館やホテルに出入りするのも禁じられている。

だそうです。Wikipedia先生いつもありがとうございます。京都以外にもいるだなんて知らなかったけど、有馬温泉街って京都っぽいし。

 

www.arima-onsen.com

 

www.facebook.com

 

で、何故かは知りませんが芸妓カフェを作ってしまったそうです。

 

結構有馬温泉では色々活動していて、別に「まさか有馬温泉に芸妓が!」とか驚くような話じゃなくて、普通にお馴染みの存在らしいですね。

 

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これ、一番最初に貼った写真なんですけど。

 

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あ。

 

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駅に降り立った瞬間から存在は明示されていたらしい。

 

・おしまいです

 

今回は「有馬温泉には芸妓がいて、芸妓カフェというものがある」という概念レベルの紹介をしたかっただけなので、これで終了です。有馬温泉に行ったら気にしてみてください。すずちゃんかわいいので。

 

最後に、ちょっと紹介したい豆知識コーナーっす。

お店の名前、『一糸』で"いと"って読むんですけど、じゃあ"一"って別にいらなくないですか?

ええとですね、有馬温泉の芸妓は、芸名の最初に"一"が付くという決まりがあるそうです。ていうか、他の芸妓もその所属によって決まった頭文字があるらしいです。競馬の冠名みたいですね。

有馬の芸妓で(多分)一番偉い人は一七四(いなよ)さんで、カフェにいた年長の芸妓さんは一菜(いちな)さんでした(後で戻ってきたので聞いた)。

 

arimageisha.wordpress.com

 

一菜さん、一晴さんとブログやってた。

 

…?

あれ?

じゃあ"すず"ちゃんってどういうこと?という話になるわけですが。

"一"の称号は、一人前にならないと与えられないそうです。つまり、すずちゃんはまだ見習いだそうで。昇格したら一鈴とかになるんでしょうか。多分そうなるって言ってました。

 

とりとめなくなってきましたね。今回は本当に「へぇ~」を共有したかっただけなので。特にドラマティックな展開はないまま終わります。言うまでもないけど有馬温泉は良いとこなので行こう。あ、みんなは家族や友人や恋人と行ったらいいと思います。

 

私は、一人で有馬温泉をお散歩して一人で芸妓カフェという単語に釣られて入店するような人間なので概ね終わりです。

 

さようなら。

 

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