あでぃすでぃす

一つ文章を書くたびに寿命と社会的評価が削れていくおブログです。

水沢のスナックに行ったんだが

話すと長くなるのだが、先日、人生で初めて一人でスナックに行くことになった。場所は水沢。岩手県奥州市水沢。合併前の水沢市としての人口が6万人だったという、ザ・東北の田舎の地方都市である。そこのスナック。

そもそも、精神的にも経済的にもガキンチョでしかない私にとって、スナック(及びキャバクラなど、そういう店)は一人で行くものという認識が一切無かったし、ついでに言えば、自分の金を払う場所だという認識すらない。何かの折に偉い人に連れて行ってもらって、良く分かんないけどお酒飲んで騒いで「ありがとうございましたっっ!!」って言ってタクシー代を貰って帰るイベントという認識しかない。

 

でも、行ったんですわ。遂に、一人で、自費で。

まあ、そこには当然ながら色々な事情があった。それこそ1年前に(もう1年前か…)AV女優専門キャバクラレッドドラゴンに行った時のように、何かもう行くしかない経緯があった。

あ、ここまで書いて気付いたけど、レッドドラゴンも含めたら"こういう店"に一人で行くのは2回目になる。まあ、あれはキャバクラで、今回はスナックだから。"初めてのスナック"ということにしておこう。

 

じゃあ話すと長くなるけど経緯を書く。(本当に長いので、偶然にもここまで読んじゃったけどあと1分しか時間ないって方は帰った方が吉です)

 

月曜日に、水沢競馬場に行ってきた。ただいま絶賛地方競馬スタンプラリーの行脚中で、水沢は節目の10場目だったのだ。

ところで、ウチの会社は競馬に携わるアレやコレやをしているので、当然会社には地方競馬に造詣が深い方々もいる。ここで紹介したいのが、本文中ではI氏と呼ぶことにする、別に仕事上の関係はないけど何やかんや繋がりのある、別部署の部長だ。この方は水~金は会社で南関をやり、土日は中央をやり、会社が休みの月火は園田に行ったりする、いわゆるプロ中のプロである。ちなみに、私は去年からちょくちょく心斎橋のスナックに行っているのだが、このスナックも園田帰りで行きつけにしているI氏の紹介であり、私がこのスナックに行くときはつまりI氏がいて、全て御馳走になっているという話である。

さて、先日甲子園へヤクルトのOP戦を観に行った前夜、私はI氏と2人で焼肉を食べていた。本当はI氏とスナックのママが開店前に2人で食べるはずだった焼肉なのだが、ママが寝過ごしてすっぽかしたため、「しょうがねぇからお前でいいわ」で呼ばれたのだった。マジ卍ラッキーちゃんである。同伴に使う焼肉店だけあってドチャクソに美味かったし、ついでにその店の3階でヤクルトスワローズ御一行様が宴会してた。マジ卍である。なんかこの段落だけ急に語彙力が爆発したが、戻す。

さてと、余談はさておき、とにかくその焼肉店で私はI氏に言ったのだ。

「今度、水沢競馬に行くんですよ~」って。

すると、返ってきた一言目が

「お、水沢か。水沢にも行きつけのスナックがあったんだよ」

「は」

「つっても、もう何年も行ってないんだけどな」

「ほ」

「そうだ、お前どうせ水沢行くなら行ってみたらどうだ?」

「え」

「店の名前はシレーヌっていって、駅からすぐ近くの通り沿いに~」

「あ」

「あれか?じゃあ俺が前もってママにラインしといてやろうか?」

「ひ」

「いや~なんか思い出したら俺も行きたくなってきたなぁ~ガハハ」

「ん」

…感じ取って欲しい。この流れで、「いや~それはキツイっす」と言えるだろうか。こちとら大阪まで来て焼肉を食わせてもらってこれからスナック行ってアフターのイタ飯屋も行って全部出してもらう身である。

そして、この際だから、何故こうやって時々心斎橋に行くことになったのかも書いておきたい。ある日の会社の飲み会で、I氏が園田のついでにスナックに入り浸っているという話になり、「楽しそうですね~」なんて相槌を打っていたら「おう、来たら紹介してやるよ。大阪まで来れるもんならな」と挑発されたので、「じゃあ行きます!」で本当に行ったのだ。おそらく、この行動力の化身っぷりが評価されたからこそ、それなりに可愛がってもらっている現状があるのだ。だから、水沢のスナックには行けませんなんて言ったが最後、評価急落、「とんだ甘ちゃんのクソガキだな」と罵られ絶縁確定である。それは許されない。今後も心斎橋ナイトを楽しむために、ここは退けないのだ。

 

ということで、行くことになった。とはいえ上記のような打算的な理由だけで渋々行くと決めたわけではない。「完全初見よりは遥かにハードルが低いし、こういう時こそチャンスだよな」とも確かに思った。変な店じゃないことは確定しているし、I氏の行きつけということで店の人との交流の取っ掛かりになるし、しかもラインでお膳立てしてくれるんなら、もはや楽勝だろう。

…まあ、そんなに全てが上手く進むはずもない。何故かI氏が直前になって 「もう3年も行ってないし、ラインして反応無かったらショックだよな」とか「ラインすると俺もまた行きたくなっちゃうからな」とか言って、ラインするのを渋り出したのだ。もちろん遥かに偉い人なので「ツベコベ言わずに俺のために準備整えんかいボケ!」とは言えないので信じて待っていたのだが、

 

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こうなった。 ハードルが1つ上がった。

(遥かに偉い人に日常の"ズコー!!!"スタンプを送るな、という御意見御感想は今回のテーマではないので封殺します)

 

ここからが本題です。(ここからはもっと長い)

 

夕方まで水沢競馬場で競馬を嗜み、水沢駅近くの宿に着いたのが6時過ぎ。少し休んで宿を出たのは20時5分。そのスナックは20時開店だが、この5分は逡巡の証。正直シラフで向かう自信は無かったので、近くのコンビニで買っておいた日本酒(岩手の地酒あさ開)を1合くらい飲んだ。宿からスナックまでは 徒歩2分。悩む時間すらないまま到着。

 

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シレーヌ。大阪で行くと言ったのが3週間前なのでそれなりにググったりはしていたが、結構有名らしい。オーナー(?)の 井川ことのさんと、ママ(?)の井川あやのさんが美人姉妹で、ただ美人であるのみならず、2人で地元のエフエム岩手というラジオ局に「おもかげ横丁スナックいがわ」という番組を持っているらしい。有名人じゃないか。

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ある。毎週木曜19:30~20:00。ラジコプレミアムなら聴ける。聴く。順調ならこの記事は木曜日の17時くらいに公開しているはずなので、みんなで、聞こう。

 

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これは井川あやのらしい。

で、エレベーターで2階に上がればスタートだが、何だかんだ言って、もう、"こういう店が入ってるビルのエレベーターのボタンを押す"という行為で既に緊張する。こちとら終身名誉チャイルドなんじゃい。でも、今回はビビったので止めましたと言える状況じゃないので、行くしかない。

 

意を決してエレベーターに乗り込む。2階。一瞬。特に思いを巡らせるまでもなく到着。ドアが開く。あ、出たらすぐ店のパターンだ!もうダメだ!踏み出すぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!

 

 

 

誰もいなかった。

 

(((何で?え?こういう店でそんな事態ある?もしかしてまだ開店してない?いや、8時からでしょ?表の看板出てたし、光ってたし、誰もいないけど照明は着いてるし、テレビも着いてるし、あ、SASUKEだ。いやいや、あれか?裏で何か準備してる?にしたって客が来ても誰も気付かないなんてある?うーーーーーん普通に考えれば、あの、カウンターの奥に誰かいるはずなんだけど…どうしよう…「すみませーん!?」って声掛けてみる?いや、しかし、だが…えぇ………。)))

 

 

 

無言でエレベーターに乗って退散した。

 

しょうがない。これはしょうがないのだマジで。ただでさえ初の一人スナックで立ち回りが分からないのに、こんな意味の分からない状況からスタートするなんて無理。一旦、仕切り直させてくれ。神にそんなことを祈りながら逃げた。まさに、逃げた。

 

で、テンションが下がったのでもう諦めて「なんかやってませんでした」ってI氏に報告して終わろうかとも一瞬考えたが、まさか店が開いてないはずがないので、駅までお散歩して気持ちを整えつつ、そこから今度はお店に電話を入れてみることに。

プルルルル

「はい、シレーヌです」

(あ、いた!!!!!!)「あ、エート、コンバンハ。あの、今から、一人でなんですけど、ダイジョ、ブ、デスカ?」

「はい…お店はもう開いているんですが、今日はちょっと女の子の準備が遅れてて、今来て頂いても僕しかいないんですよ。それで良ければ…」

(全てを理解した時のSEが頭の中で鳴り響きつつ)「えーーーと、うーーーん、大丈夫です!じゃあ行きます!」

 

事情は分かった。今度こそだ。むしろ電話を入れたことで入店の一歩目がスムーズになるはず。着実に事態は好転している。

 

ちなみに、なぜボーイさん一人しかいないのに行くと言ったか。それは、勝算があったからである。実は事前に「あやのママか、たいちゃんっていうオカマみたいなボーイだったら俺のこと覚えてると思うんだよな」とI氏から聞いていたのだ。そして、(HPの情報では)シレーヌにはボーイは一人しかいない。すなわち、今電話に出たのが"オカマみたいなボーイ"のたいちゃんのはず。そういう先入観を持って電話で話した感じ、まあギリギリオカマっぽいと言えなくもなくもなかった。つまり、むしろココで店に突入してしまえば、私とたいちゃんの二人だけ→スムーズにI氏の名前を出して掴み完璧→勝利という方程式が完成する!

 

 

 

再入店。

 

カウンターに、ボーイさんが、いる。

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

普通そうなるやろ。さっきマジで混乱したんだからな。

 

カウンターの端の席に案内される。落ち着いて店を見渡すと内装とかビックリするほど綺麗。東京だったら高級クラブ級。他の客はいない。話通り女の子もいない。おそらくたいちゃんと思われるボーイさんがおしぼりを持ってきてくれる。で、メニュー表を差し出して「どうしますか?」と。

おお、そもそもスナックで"メニュー表"を見たことない。自分の金を払うという概念がないから料金のシステムとか考えたことない。今、人生で初めてスナックのお金の払い方を学んでいる。セット、せんごひゃくえん。席代?あれ、時間とか書いてない。ああ確かそうだキャバクラは時間制だけど、スナックは"いるだけ"の料金は時間制じゃないんだっけ。ボトル。高っ。ていうか水沢に定期的に行くビジョンは無い。じゃあ単品?いや、酔って記憶が無くなって無限に飲んだら大変なことに。あ、でも飲み放題ってのもあるんだ。え、どうしよ。

…と、悩んでいるとボーイさんが飲み放題をそれとなく勧めてくれたので、それに。1時間半で3500円だった。相場は分からないけど、レッドドラゴンより果てしなく安いことは分かる。

 

で、どれにするかと利かれたので「じゃあ…ういすきーで…」完全に子供の返答。「えーと…ハイボールで…」「すいませんウチはハイボールは出来ないんですよ」「え、じゃあロックでいいです」

知らなかった。スナックはハイボール禁止なんだ。あーもう完全にバレた。こういうお店に来たことのないガキンチョってバレたよ。事実だけど。結局この日は最後の最後までロックで飲み続けたため、結構すぐにメモリーカードが破損した。

 

さて、飲み物が運ばれてきた。お通しも運ばれてきた。しばし沈黙。いよいよ勝負の時である。「たいちゃんさん…ですよね?あの、何年か前まで来てた、東京のI氏って覚えてませんか?」って聞くのだ。知らんって言われたら即帰宅である。

 …まあ、今こんな記事を書いているのだから答えは見えているが、ちゃんと覚えていてくれた。勝利である。そこからは「部下でーす」「僕も水沢競馬の帰りでーす」で離陸成功である。あとは気分よくフライトするだけ。

 

しばらくしたら一人目の女の子が出てきて、もうしばらくしたら二人目の女の子も出てきて、さらにしばらくしたらあやのママも出てきた。月曜の早い時間ということもあり、私のいた時間帯は客も私ともう一人しかこなかった。ハーレム状態である。ドチャクソ楽しかった。ただし具体的な記憶はない。まとまった記憶として覚えてることと言えば、ヤクルトスワローズの話から専大北上出身の畠山の話になってセンバツの話になって球場での観戦の話になって最終的に女の子がこないだテレビで観たという売り子特集の話になってしまい、観念してプロの売り子ヲタであることをカミングアウトして語り倒したら非常に盛り上がってしまったことくらい。まあ、ガチ恋して振られた話までしちゃったから。身を削ったから。帰るとき、「I氏の知り合い」ではなく「売り子ヲタの人」として覚えられたっぽい。

ちなみに、完全なる余談だが心斎橋のスナックでは「雄琴マン」として親しまれています。

 

 

時間帯が微妙なので分からないけど、もしかするとこの動画の左側に、私がいたかもしれません。右端があやのママで、横の巨乳の子が最初に付いてくれた子で、その隣がたいちゃんで、左端が、えーと、もう一人です。

 

で、まあ、そんなこんなで、おそらく22時半くらいに店を出ている。滞在は2時間ちょっと。お代は5500円。セットの1500円と飲み放題3500円と多分女の子が飲んだ500円分っぽい。いずれにせよ、レッドドラゴンと比べれば果てしなく安い。店を出てから宿で倒れるまでの記憶は一切ない。なんかツイートしてたから記憶領域がぶっ壊れてただけで正気は保ってたんだろうけど。

 

…果たして、人生初の一人スナックを完遂した。

一人でスナックにも行けるようになっちゃったら、いよいよ一生独り者の可能性が加速していきますね。もうダメです。さようなら。

いや、違う。一人でスナックに行けるようになったから、高垣楓さんのような女性と運命的な出逢いを果たす可能性が0.0000001%から0.000001%まで劇的に上昇したのかもしれない!やった!

 

水沢競馬にはもう行かないような気がするが、盛岡競馬には行くかもしれないので、もしかすると盛岡競馬→水沢に宿取る→シレーヌという2回目があるかも…しれない…。その時は、教えてもらった「つるかめ食堂」で絶品のホルモンを食べてからシレーヌに行きたいと思います。

 

最後に、私が店を出た後、あやのママからI氏にラインが来たそうです。良かったなぁ。今度はI氏に連れて行ってもらう感じかなぁ。