カレンチャンが育成ウマ娘として実装される。
正直なところ、全く予想していなかった。確かにレジェンドレースがスプリンターズSで、シークレット枠の馬がいるというヒントは示されていたが…。
カレンチャン(競走馬のぬいぐるみ・小)
カレンチャンは立場が弱い、はずだった。
(多分、おそらく、開発初期のノリと勢いによって)名前とキャラクターだけでウマ娘になっちゃったけど、短距離馬で、2010年代前半で、ライバル、もしくは物語を作れるような他のウマ娘も不在。アニメにも出なかったし、育成ウマ娘どころかサポートカードも未実装。ダスカの学園祭とマヤノのサポートカードイベントで「いるねぇ」って眺めているしかなかった。
それこそ、トウカイテイオー周辺ってだけでイクノディクタスとかマチカネタンホイザはウマ娘になるし、オグリキャップ周辺ってことでメジロアルダンとかサクラチヨノオーもウマ娘になるし、スペシャルウィーク世代とか、ウオダスとか、もはや『核』じゃん。ウマ娘ワールドの。ニュージェネとかシンデレラプロジェクトじゃん。
それに対して、馬単体の個性だけでウマ娘になってしまったカレンチャンとかシンコウウインディはあまりにも孤立してるのよね。だから、優先順位は一番下なんだろうなって思ってました。デレマスで例えると若林智香くらいの位置になっちゃうんだろうなって。しょうがないよな、カレンチャンでアニメ1期作れないもんな…って。
カレンチャン(競走馬)(ぬいぐるみ)(中)
それがどうして。カワイイからかな。あまりにも大外一気だな。カレンチャンはソダシやビワハヤヒデ並みにソツ無く先行するタイプだけど。
…果たして育成ストーリーは、誰が出てきてどう進むんでしょうか。ハルウララとかルドルフみたいに、ライバルとの戦いじゃなくて己と向き合うストーリーになりそう。
ブラックシェルの神戸新聞杯に導かれて第三次競馬ブームが到来し、そのままクロフネ産駒を追い掛けながら競馬の基礎知識を得てきた私にとって、カレンチャンは間違いなく特別な存在であった。
ブラックシェルの頃、すなわち2008年の秋といえば、ちょうどスリープレスナイトが短距離界で頂点に立った時でもある。ところがどっこい、翌春の高松宮記念でローレルゲレイロに逃げ切られ、待ちに待ったセントウルSをプラス22キロでコスモベル相手に取りこぼし、スプリンタ…え?そのまま引退?ブラックシェルも屈腱炎で戻ってくる気配すらなく、「せっかくクロフネ産駒応援してるのに…」と泣いていたのが2009年の秋。そんな頃、スリープレスナイトと入れ替わるように短距離路線に登場したアイドルホースがカレンチャンなのであった。
ウチのぬいぐるみ、スリープレスナイトもいるよ
とはいえ、カレンチャンという名前が目立っていたのでデビュー当時から知ってはいたものの、さすがに最初から大好き!全部買う!という訳ではなかった。同世代のクロフネ牝馬にはカレンチャンとスプリングサンダーとケイアイデイジーがいて、最初はこの3頭をひとくくりに『クロフネスプリント娘たち』として応援していたような気がする。ちなみにカホマックスも同世代。ベストロケーションは先輩。ホエールキャプチャは後輩。
この世代のクロフネ牝馬といえばベストクルーズ。こちらは最初から牝馬クラシック路線に乗ってたのでまた別の存在だったと記憶している。ていうかこの世代のクロフネ産駒に関しては、3歳春まではベストクルーズばっかり応援していたような覚えがある。ファンタジーS、ベストクルーズから馬連流したのに迷って外したタガノエリザベートが抜けて人生初万馬券を逃して、駿台予備校お茶の水校の日本史の講師とマンツーマンの長文添削の時間に浪人生の本分を放棄して外れ馬券見せながら語り合ったなぁ。そういう終わってる浪人生だったのが2009年の冬。当時は毎週末自宅と水道橋とお茶の水の3点をひたすら往復していた。授業受けて水道橋に移動して馬券買ってメイン見てお茶の水戻って夜まで自習して。クソかって。あと、この世代はPOG本を立ち読みして強いと信じていたアドマイヤテンバとヴェラブランカがクソほど走らなくて競馬不信になったりした。
カレンチャンというかクロフネ産駒が好きなんです
じゃなくて今回はカレンチャンに思いを寄せるエッセイでした。カレンチャンは実際3歳の時は葵Sでケイアイデイジー、カレンチャン、スプリングサンダーのクロフネ牝馬ワンツーファイブを見届けてワイワイ言ったくらいしか印象がない。フィリーズレビューの時はなぜか中山の指定席にいたけどテイラーバートンしか応援してなかったし。「おいおい、まさかあんたスリープレスナイトの後継ちゃんか…!?」と期待し始めたのは4歳シーズンだったように思う。
さきほど2009年の冬に浪人生だったという個人情報を開示した通り、カレンチャンが葵Sを走っていた春は大学1年生、カレンチャンが大連勝でスプリンターズSを勝った秋は大学2年生、カレンチャンがロードカナロアに負けた秋は大学3年生だった。競馬サークルに所属しながらほぼ毎週競馬場に行っていた3年間、一線級として活躍し続けたカレンチャンは私の人格形成に大きな影響を与えている。それは嘘。いや、それは嘘だとしても不可避的に私の競馬史の中で大きなページを占めていることは間違いない。
キーンランドCは大宰府から博多に戻る電車の中で、ガラケーのアンテナを立てて""ワンセグ""で見ていた。ちょうどその週は福岡旅行をしていて、土曜日に小倉競馬場に行って日曜日は普通に大宰府とかを観光していたのだった。キーンランドCは馬券を買わずに見ていたが、その直後の新潟記念は「11頭立てだけどこんなん絶対荒れるじゃん」と馬連全頭BOXを敢行して55点で108.8倍を当てて浮いた。一緒に旅行していた友人にはごちゃごちゃ喧伝してサンライズベガとセイクリッドバレーのワイド1点を買わせて、なんかそれも当たった。土曜の小倉も無類の小倉巧者として全国民が知っているエクスペディションのおかげで勝てたし、いい旅だったな、平和で。風俗とか知らなかったし、ていうか童貞だったし。
話の筋とは関係ないけどコミケのブースにもカレンチャン飾った程度にはカレンチャンすきだよ
続くスプリンターズSはちゃんと現地でカレンチャンの単勝と馬連と3連複を買い、ビービーガルダンの放馬を見届け、ロケットマンがホントに強かったらどうしよう…と怯えながら、当たった。この時にはもうカレンチャン大好き人間だったと思う。パドトロワが加害馬になって審議になって、パドトロワは買っていたけどエーシンヴァーゴウは完消しだったので「アンカツごねろ!アンカツ屈するな!」って騒いでた。なので3連複は当たっていない。
年明けのオーシャンSは玄人気取りで「もうカレンチャンにGⅢとか必要ないし、叩き台で仕上げてないでしょ。しかも雨だし」とか言って、◎ワンカラット▲グランプリエンゼル△ベイリングボーイという予想を出して、入線20秒後にサークルメンバーから電話が掛かってきた。馬券は1円も買っていなかった。いや、ハナから買う気が無かったから「道悪だったらこんな荒れ方すんじゃない?」って適当に決めた予想だったので…。
高松宮記念はサークルの春休み遠征として中京競馬場に行った。夜行バスに乗って早朝の名古屋に降り立ったこと、時間を潰すのに駅からちょっと離れたデニーズに行ったこと、改修再開直後だったため想像以上に観客が多く席が取れずに芝生にシート敷いて過ごすことになったこと、一日中暴風ですこぶるストレスフルだったこと、高松宮記念まで全然当たらずにすこぶる意気消沈していたこと、高松宮記念の2つ前の芝1200m戦にクロフネ産駒で同世代の牝馬のブルームーンピサが出走していて、「これが勝てなきゃカレンチャンも勝てねえよ!」って買ったら8番人気4着でひとまず憤死したこと、とはいえこの時のカレンチャンに関しては私の全競馬人生の中でも五指に入るほど「勝つ」と確信していたこと、レースはなんか人まみれで持ち前の低身長が災いしてほぼ見えず、なんか灰黒い馬がなんとなく前の方のままゴールしたことしか分からなかったこと、ロードカナロアとかいうキャリア不足で人気先行の雑魚は絶対3もないと思っていたので馬券が全然嵌まらなかったこと、全て鮮明に覚えている。いやー、ダッシャーゴーゴーでもマジンプロスパーでも3連単まで完璧に当たってたのにさ…。終わった後は名古屋駅構内のなんでもない店できしめんを食べた。全然いらんそんな記憶すらも覚えている。
これだけ手元に残ってた。①ロードカナロア完消し
まさか、半年前に完全に叩きのめしたロードカナロアとかいう年下のよく分かんない見た目の成績だけは良い決め手不足の4歳馬に、スプリンターズSでアッサリ負けるとは思わなかった。本当に1%も負けるとは思っていなかったので、◎カレンチャン○ロードカナロア▲ドリームバレンチノの完璧な予想ながら全部カレンチャン1着固定で馬券はアブソリュートゼロだった。もちろん今はロードカナロアがよく分かんない雑魚とは一切思ってないけれども、当時は本当に「カレンチャンが?同じ厩舎の?下の世代の?高松宮記念で粉砕したヤツに?負ける?そんなことある?負けたら最終レースの直線に飛び込んで自害するけど?」ってくらい負けないと思っていた。「カレンチャンもう引退するんだからオマエは来年勝てばいいじゃん」とも思っていた。カレンチャンファンとしては、ロードカナロアって全くの邪魔者よ。当時は厩舎が~とか、担当スタッフが~とか、そういうエピソードも全然考えてない大学生だったからね。
こんな感じで思い出深い馬券は保存しています。カレンチャンは少ない(だいたい当たったから)
そんな感じで一瞬はロードカナロアのアンチになった私が、今や安田隆行厩舎のロードカナロア産駒に出資し、芝ダートは違えどスプリントで世界に迫り、その賞金と馬券によってカレンチャンのガチャに立ち向かおうとしているとは、因果なものである。
これ
もちろんレッドルゼルへの出資は、ロードカナロア産駒であること、安田隆行厩舎に預託されることが大きく影響している。ていうかそれしかない。安田隆行厩舎のエンブレムが入ったメンコを付けた出資馬が、スプリントGⅠを勝つ。カレンチャンのファンとして、それほど大きな夢はないでしょうよ。まさかダート路線に行ってここまで大成とはデビューするまでは考えてなかったけど。
が、これ
レッドルゼルに関しては、カレンチャンよりむしろスリープレスナイトを思い起こさせる。スリープレスナイトも芝の新馬負けてダートの1200m~1400m走ってたのに、久々に芝使ってみたら一気に頂点までいっちゃった馬だし。レッドルゼルもなぁ、まだ「気の迷いで芝を試してみたらなんかメチャクチャ強かったですわ」ってパターン、諦めてないよ。ダートの短距離なんてやることないし…。もうカペラSとか走らなくてよくない…?
で、これ
つまり、ツイッターのアカウント名が@AddisKurofuneなのも、競馬サークルで貴重な大学生活を叩き壊したのも、競馬場を全場踏破したのも、競馬を仕事にしてしまったのも、レッドルゼルに出資したのも、全部カレンチャンのおかげなわけ。極論。
それをお前、カレンチャンの実装を、指をくわえて見てられるかお前。
根性不足、賢さ高めなのでレッドルゼルで勝ち取ったお金をウマ娘に放り投げることはしません
— あでぃす (@AddisKurofune) 2021年3月30日
???
カレンチャンを目の前にして、同じことが言えるのか???
明日、じゃなくて今日か。…の予算、アンリミテッドで。
ジュエルは3600しかねぇ。出会うまでマックス180連分、日本円だ。
レッドルゼルのドバイの馬券と賞金と年次清算でまあそれくらいは相殺できるけどさ…本当は…パソコン買い換えたいんです…
「ルゼルがドバイで頑張ったお金でパソコンを買いました」
って、言いたかったんです…
ああ、パソコンというリアリティのある物質と比較すると、ソシャゲのガチャの不毛さったらないね…
うるせ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カレンチャンしか勝たん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カレンチャン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
突然思い出したように深夜3時のテンションになったので、これにてさようなら。おやすみなさい。