那須塩原駅の周辺をうろついていたところ、何やら不思議な雰囲気を放つ『温泉神社』という神社を見つけたのであった。
場所はここである。後に調べたところ、那須にでっかい温泉神社があって、この地域にはちっちゃい温泉神社が山のようにあるようである。まあ、そんなことはどうでもいいのだ。見よ。
滅びているのだ。母なる大地に飲み込まれているのだ。自然に還っているのだ。
こんなことに…こんな葉っぱモッサモサの草ボーボーになっている神社が存在していていいのであろうか。おい、神主。おい、地域住民。打ち棄てられた…とは、まさしくこういう情景に対して使うべきなのであろうか。
最奥に拝殿らしき建築物がうっすら見えるが、参道は草に覆われて封じられてるし、奥に進まんという意志を見せようものなら、野生の狼とか出てきそうである。狼と言わずとも何らかのモンスターがいそう。エンカウントする。飛び出してくる。そう。これ、RPGとかの滅びた文明の遺跡の入り口のやつだよ。FFⅩか、ゼルダか、千と千尋の最初のやつ。なあ。なあって。
而して、我は参拝することにした。死ぬ気か。いやさ、奥に行ったら宝箱があるか、何らかのフラグが立つイベントムービーが始まるんじゃないかと思って。
狛犬も 草属性に なっていた
いきなり目が赤く光って飛び掛かってくるヤツかと思って身構えたが、微動だにしなかった。じゃあかわいい。
苔がむしている。これが国歌。ワンシーズン放置したくらいじゃこうはならんだろ。どうなってんだ。
あるゾーンを踏み越えた瞬間、左右に整然と白い花が立ち並ぶエリアが出現した。これはリアルな話をさせてもらうけど、メッチャ怖かった。「びょえっ!?」って叫んだ。本当に何らかの世界線を越えてしまったのかと思った。どういう仕掛けだよ。自然の神秘だとしたら冗談じゃなく神秘だよ。
この白い花けっこう背が高いから圧があるんだよ。黄泉の国演出、やめてくれ。こんなんあと3歩進んだらボスとのエンカウントかイベントムービーが始まるやつじゃん。もしくはジブリ映画の重要な場面に差し掛かるとこじゃん。こっちはあろうことか半ズボンで既にちょっと痒いんだぞ。
ちなみに、この白い花はカモミールかハルジオンかヒメジョオンらしい。カモミールだったら超面白かったけど、真面目に調べたらハルジオンかヒメジョオンの可能性がちょっと優勢らしい。ハルジオン、なんかのアイドルの曲になって調子乗ってるけど、実際はこういう荒れ果てた場所で群れをなして咲いてる恐怖の雑草だからな。
とかなんとかRPGごっこをしてる間に辿り着いたのだった。特にボスとの戦闘は始まらなかったし、地下神殿への入り口もなかったし、実績も解除されなかった。温泉神社の文字が、かすれてほぼ読めない。本当にいつから放棄されているのか。
賽銭箱はなく、宝箱もなく、
腐った…を通り越して干からびたみかんが1つ、安置されていた。
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ゴールからの眺め。なぜこのハルジオンだかヒメジョオンだかカモミールだかの白い花々は綺麗に高さが揃っているのか。神の意志か。上を歩けるのか。
これマジで中間地点の灯篭とでっかい木を挟んだ手前と奥とで植生が全く違ったんだよ。自然に荒れ果てたように見えて、実は誰かが緻密に作り上げたフィールドだったりしないか?
経験値が3増えた。脛が痒くなった。
もっとまともな観光をしろ。以上です。