あでぃすでぃす

一つ文章を書くたびに寿命と社会的評価が削れていくおブログです。

にほん

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先日、完全ワイヤレスのイヤホンを買った。新宿で健康診断を受け、バリウムを飲まされて下剤を飲み込んだその体で吉祥寺のヨドバシに行ってイヤホンを買った。売り場をウロウロしている間に便意に襲われることが三度続き、イヤホン売り場とトイレを都合三往復した。一度は三階のトイレが埋まっていたので六階まで行った。あの時はダメなんじゃないかと思った。ほら、バリウムを下剤で押し流すときの便って、ピピピーッ、シュシュシューッって出るから。飲んでから効き目が出てくるまでに猶予があるとは言うけど、個人差があるとも言うし(私は比較的早く効く方)、タイミングが悪くて帰りの電車内とかで大変なことになったら大変なことになるのではないか。

申し訳ない。イヤホンの話をしたいのに下品な話になってしまった。とにかく、先日、完全ワイヤレスのイヤホンを買ったのだ。なぜ、健康診断直後というリスクを抱えてまで買いに行ったかというと、太ったから。ヤバいぞ…!と思ったから。もっと走らなきゃ…!と思ったから。人は、もっと走ろうと決心したとき何をすべきか。それは「決して安くはない完全ワイヤレスのイヤホンを買うことでより快適なランニング環境を整えるとともに『こんな高い買い物しといてサボるとか人としてどうなの???』と自分で自分に圧を掛ける」ということである。ちなみに、健康診断の当日に分かったのは体重が5キロ、腹囲が8.5cm増加していたということのみだが、後日郵送されてきた診断表により、中性脂肪の数値が去年から倍増しているということも判明した。殺してくれ。

さて、実はここからが本題なのである。太った話ではなく、完全ワイヤレスのイヤホンの話をしたいのだ。私が買ったのはAVIOTというメーカーの、9千円くらいのものだった。衝動的にヨドバシに馳せ参じて、予備知識も全くないままイヤホン売り場で値段やスペックやデザインを見比べながらウンウン唸って(三度のトイレ休憩でも違う理由でウンウン唸って)(いや、下剤でバリウム押し流す時はウンウン唸らないでも出るわ)(上手いこと言おうとして失敗した)1時間くらいかけて選んだ。買った後、帰りの電車内でAVIOTという名前を調べてみると、好意的なレビューやニュース記事が多くて概ね好評な、新進気鋭のメーカーであることが分かったのでひとまず安心した。買った後に「欠陥メーカー!終わってる!クソの金字塔!」とか書かれていたらしょんぼりしてしまうので。

それで、検索すれば当然のことながらAVIOTのオフィシャルサイトも出てくるのだが、そのトップに掲げられていたキャッチコピーというのが

日本のサウンドを熟知した日本人オーディオエキスパートが携わる日本発のオーディオビジュアルブランド。

というものであった。いかしている。「人民の人民による人民のための政治」を思い起こさせるような"日本"という単語の連打。言うなれば「日本人の日本人による日本人のためのイヤホン」ということか。しかし、"日本人のためのイヤホン"とは、具体的に考えてみるとどういうことなのだろうか。イヤホンなんて全世界の人々が共通で使うものだし、人種や民族や文化によって違うことなんてあるのだろうか。帰りの電車でそんなことを考えていた私だったが、何度か使っているうちに、AVIOTのイヤホンの一体何が"日本"なのか、すぐにその答えを確信することとなった。

 

 

かわいいのだ。

 

 

おや、彼は気が狂ったのかな?もしくはドラえもんで小石に道具を使ってペットにする話みたいな妄想に取り付かれたのかな?と怪訝に思う方もいると思うが、安心してもらいたい。確かに完全ワイヤレスのイヤホンってちょっと豆しばとかぐでたまみたいな可愛らしさがあるけど、そういう話ではないし気も狂っていない。

完全ワイヤレスのイヤホンというのは、電源のオンオフや充電やペアリングの必要がある電子機器。となると、音声ガイダンスが必要になってくる。そのガイダンスの音声が、かわいいのだ。普通はこの手の電子機器の音声ガイダンスというと、お馴染みの機械音声を思い浮かべるだろう。「デンゲンヲ、オンニシマシタ」とか「ペアリングシテイマス…」とか「セツゾクシマシタ」とか。違うのだ。全然違う。「電源オンッ♪」だし、「接続しましたぁ☆」だし、「接続解除しましたゝ」だし、「電源オフッ」なのである。かわいい。かわいいのだ。とても、いい。心地、よい。最の、高。何を考えているのかは分からないが、おそらくプロのかわいい声優さんを雇って本物の人間のかわいい声を収録しているのだ。無機質な電子機器に、生命の息吹が。

私はこれこそが"日本"だと思った。日本人の日本人による日本人のためのイヤホンと評するに相応しいこだわりだと思った。だってさ、イヤホン本来の機能とか品質とは全く関係ない要素なのに、こういう部分にも全力で付加価値を付けにいくんだよ。ユーザーにイナフ!という感情を授けにいくんだぜ。これこそが日本人の感性、美徳、精緻さ。あとキモヲタ気質。そう思わないですか?ねえ?だってさ、そんなん耳元で定期的に聞くことになる音声が「セツゾクシマシタ」と「接続しましたぁ☆」だったら後者の方が幸せに決まってるもんね。ていうか、機械音声じゃなくて人間の声を収録するとしても、催眠音声みたいな甘々萌え萌えボイスにする必要にする必要ないし、絶対に分かってやってる。AVIOTは。日本のサウンドを熟知した日本人オーディオエキスパート達は。かわいい。好き。天才。

 

 

…おっと、興奮して文体が崩れてしまった。それはともかく、間違えてここまで読み進めてしまった方々は「またコイツ、ハチャメチャなキモい怪文書を…AVIOTに訴えられて死ねばいいのに」と思っていることだろう。

 

そんなことはない。

 

trendy.nikkeibp.co.jp

例えば、この記事では

AVIOT WE-D01a-BKは、アニメの女性キャラのような「萌え声」の音声ガイダンスがネットで話題の製品。

と紹介されているし(私が買ったのはTE-D01aなので機種は違う)

 

 

aviot.jp

AVIOTイヤホンの特徴でもある日本語音声ガイダンスのボイス、 WE-D01c-kznの収録ボイスを全てキズナアイが担当。 「 電源オン 」「 ペアリングしています 」等のボイスに全てキズナアイによる新規収録のボイスを採用しています。

"音声アナウンス部分が全部キズナアイ"というコラボ商品も出している。

 

ほらな。

 

そういうことなんやで。

 

AVIOTはそういう"日本人の趣き"を大切にする集団なんや。

 

…えーと、何の話でしたっけ。

 

とにかく完全ワイヤレスのイヤホンは便利だしかわいいのでオススメです。いや、かわいいのはAVIOTのだけだと思いますけど。ちなみに、AVIOTのイヤホンのどこが日本人のためのイヤホンなのか、その正解はオフィシャルサイトに書いてあるので各自確認して下さい。かわいい音声ガイダンスを導入したことではなかったです。