あでぃすでぃす

一つ文章を書くたびに寿命と社会的評価が削れていくおブログです。

らぐび

ラグビーワールドカップが盛り上がっている。

 

私は本質的に拗れているので最初こそ「ふーん」という心持ちだったが、弊社の所在地たる府中市はイングランドとフランスを招聘して盛り上がっている(大通り封鎖してパブリックビューイングとかやってる)し、南武線や京王線で東京スタジアム(味の素スタジアムって言わないから最初どこだよって思った)帰りのラガーシャツ集団と鉢合わせたりするし、実際なんかもうメッチャ勝つので、最終的には時流にライドオンしてスコットランド戦と南アフリカ戦はちゃんと見ていた。デクラーク、メチャクチャ目立ってたけど名前が呼ばれるたびに「デアフルーグ…!?」と心に浮かんでいた。ラグビー選手ってダート馬っぽいな。スマートファルコンとエスポワールシチーとトランセンドでスクラム組ませたい。

 

さて、こんな能無しな話をしている通り、私はラグビーに明るくない。ニワカ以下のカス。しかしながら、ちょっとした思い出もあるのであった。

 

私にとってのラグビーは、正月の秩父宮だった。

 

幼稚園くらいの頃から関西に引っ越すことになる小学3年の前まで、ほぼ毎年、父と『全国大学ラグビーフットボール大会』を観に行っていた。というか連れて行かれていた。その試合が全国大学ラグビーフットボール大会だということは、大人になってから調べた。正月ということは、準決勝や決勝ということだったのだろう。

 

父は明治大学の出身で、ヤクルトファンが巨人を敵視するのと同様に、ラグビーに関しては早稲田と慶応を敵視していた。特に慶応に対する敵視は凄まじく、幼少期の私に「広沢克己はカス野郎」という理念と並んで「慶応大学はカスの肥溜め」という理念も植え付けていた。だから私は大学受験で慶応には一切出願していない。あ、もう慶応大学はカスの肥溜めでチンカスの放牧場だとか、思ってないですよ。ほんとに。

 

話がちょっと逸れたが、幼少期の私にとってラグビーとは「お正月のイベント」の一つだったのだ。

 

その時はだいたいもう一人のおじさん、おそらく父の明治大学の後輩か、会社の後輩か…そんなおじさんも来ていて、3人で観るのが常だった。そして、正月の秩父宮は「ラグビーを一緒に見るお父さんの友達のおっちゃんからお年玉を貰える場」でもあった。

 

そして、その日には不思議と決まってカップヌードルの自販機で昼食を取っていた。ハッキリ言うと当時観たラグビーの試合の記憶は全くと言っていいほどない。しかし、おっちゃんにお年玉を貰った記憶と、席で座って食べたカップヌードルの記憶だけがずっと残っている。この2つが無ければ、そもそも「子供の頃毎年ラグビーを観に行っていた」という記憶すら残らなかったかもしれない。あと、おじさんとかおっちゃんとか表現しちゃったけど、多分当時その人20代だな。

 

カップヌードルの自販機は神宮球場にもある(多分、撤去されてなければ)。プロ野球の試合を観に来た時に食べることはないが、大学野球やアマチュアの選手権を観に来ると不思議とその自販機が視線に入って食べたくなってしまうのは、秩父宮の大学ラグビーという記憶に強く紐づいているからなのかもしれない。

 

ラグビーの反則は、ノックオンとスローフォワードだけは知っていた。おそらく当時父から解説されて、そこだけは記憶に残っていたのだろう。

ただ、物心がついてからある日調べ直すまで、スローフォワードは"遅い、攻め手が"という意味だと思っていた。「前に投げるでスローフォワードなのか!確かに前に投げる反則だわ!」と気付いた時の感動といったら。あと、渡された冊子とか文字情報では"ノックオン"なのに口では全員「のっこん」って言うから幼少期の自分は「なんで??????」と思っていた。

 

あと、これはスコットランド戦を観るに当たって思ったことなのだが、いつからラグビーのポジションはこれほど細かくなっていたのか。これは本当に先週までFWとBKしか知らなかった。だって、昔はそうだったし。…そうだよね。NHKの「ぱーっぱぱっぱぱらぱぱーっぱぱっぱぱらぱぱーらーぱっぱぱっらぱー んぱぱぱぱぱぱーっぱぱーっぱぱっぱぱっぱぱー じゃんじゃじゃんじゃじゃーんじゃーんじゃっじゃじゃらららん」ってテーマから始まる昼下がりのラグビー中継でも、選手名の横にはFWとBKしか書かれてなかったよね??????

 



擬音で表現しようとしたら自分がムズムズしてしまったので調べてしまった。

これだ。

調べてみたらラグビー以外もこのテーマから始まるらしい。そうかな。このテーマが流れたら流れは完全にゴールポストが映ってスタジアム全体の引きで

 

明  慶

治  応

大  大

学  学

 

ってイメージですよね。いや、ですよねじゃなくてこれも幼少期からの刷り込みによる非常に個人的な感覚なんですけど。

 

ノスタルジーでエモい話か?と思わせておいて結局はしょーもないところに着地してしまった。ここらで筆を置く。実際の作業としてはキーボードから手を離しマウスを動かして"公開する"ボタンを押す。